サンクトペテルブルグからダンサーたちが来日してから、なんと2週間!
東京では「白鳥の湖」公演が終わり、いよいよ「眠れる森の美女」が始まりました。
ホールでは毎日のようにリハーサルが行われ、外の寒さを吹き飛ばしてしまうくらいの熱気があふれています!!!
来日したその足で、いくつかの取材を受けてくれたテリョーシキナとシクリャローフ。
たいへん遅くなりましたが、その時に行ったインタビューをご紹介します。
取材場所に着くとスタッフたちに「こんにちは!」と言って「私たちの公演を楽しみにしていて下さいね。」
と、挨拶をしたテリョーシキナとシクリャローフ。
取材時の様子は質問に対して真剣に答える姿が印象的。ときどき、真剣に答えているテリョーシキナに対してシクリャローフがちゃちゃを入れて笑わせたり、とても和やか雰囲気でした。
―シクリャローフさんは、モスクワ国際バレエコンクールで優勝されましたがその喜びを、最初に連絡したのはどなたですか?
S:「最初に連絡したのは、母です。何て言ったらいいか分からない!と言いながら、とても喜んでくれました。そして、その次には舞踊監督のファテーエフ先生に電話しました。
ファテーエフ先生には、このコンクールに出場することを決めてから、毎日朝から晩までレッスンをしていただいていましたので、本当に本当に感謝しているんです。先生も僕を、マリインスキー劇場を代表して出場させる、というくらいに思っていてくださったようですし、その期待に応えることができたことを喜んでくださいました。」
―それまでも、主役を踊るなど活躍なさっていたのに、なぜ今、コンクールに出場しようと思ったのですか? S:「僕は、2002年にワガノワのコンクールに出場したのですが、その時は2位でした。それはそれで嬉しかったのですが、やはり1位になりたかった、という思いがとても強かったのです。その思いがずっとずっとあって、今度はモスクワ国際コンクールで優勝しようと決めたのです。こういうのを“男の意地”って言うのかな・・・。
コンクールに出場することによって、僕自身、技術を集中的に磨くという貴重な経験をすることができました。コンクールでは5つのヴァリエーションを準備しなくてはいけないのですが、これを踊りこなす、踊り分けるということは、非常に難しいことでしたが、これによって大きく成長するきっかけになったと感じています。技術的にももちろんですが、ヴァリエーションという1分くらいの間に持っているすべてを出し切るという集中力、瞬発力、そのプレッシャーに耐える精神力、ありとあらゆる力について、取り組むことができて本当に良かったです。」
―テリョーシキナさん、「眠れる森の美女」は最近レパートリーに入れられたんですよね。 T:「それまでは、リラの精を踊っていましたので、オーロラ姫を踊るようにと言われた時は少しびっくりしました。しかし、クラシック・バレエの最高峰と言われる作品の主役を踊れることはとても名誉なことですし、この華やか作品を踊れるのは嬉しかったです。テクニック的にも難しいのにそうお客様に感じさせてはいけない、これはとてもチャレンジングでした!」

―「イワンと仔馬」を振付けたラトマンスキーさんは、テリョーシキナさんのことを「僕が才能を見出したんだ!とても誇りに思う!」と話していらっしゃいましたよ。 T:「そうですね!初めてラトマンスキーさんの作品を踊ったのは、彼がマリインスキー劇場のために振付けた“シンデレラ”です。このとき私はまだ入団したばかりだったのですが、彼が抜擢してくださったのです。」
「イワンと仔馬」で踊るロブーヒンさんについてもお話してください。
T:「彼はイワンの役にぴったりだと思います。純粋なところとか、がんばるところとか、応援したくなるキャラクターが、ロブーヒンそのもの。踊りはもちろんですが、彼の表情がとてもおもしろくって、一緒に踊っていて笑ってしまうくらい。ハッピーな舞台になることを私が保証します!」
―「オールスター・ガラ」で踊られる“タランテラ”についてこれも日本では初めて見せる演目ですね。 この演目ではお客さんやパートナーとのコミュニケーションが特に大切だと思うのですが、どう練習に取り組んできましたか? T:そうですね。 実はまだ数回しか踊ったことがなくて!
まだまだ、役について分からないところがあるような気がします。
これから頑張ります!
―音楽がとても早いのですよね。 T:そうなんです。 とっても早くて、なんだか追われて踊っているみたい(笑)
この演目は背の低いダンサーが踊るけど、背が高い私が踊っていいのかしら?って思ってしまうわ。
ビデオを見て、本当に笑ってしまったの。 だって手や足が長すぎて、大丈夫かしらって。
―そんな事ないですよ!写真が届いた時もとても綺麗に踊られているように見えました。 T:ありがとう!
<チェコットでのイベント・レポートその2> 平日にも関わらず、たくさんの方がイベントに参加して下さいました!
チャコットのスタッフから次々と質問を受け、丁寧に答える2人。
テリョーシキナは小さい頃に新体操からバレエへ転向した事を話ました。
「眠れる森の美女」の見どころについては「一人の女性の成長過程を見てください。あどけない少女の頃、眠りについて悲しげな女の子、大人になり結婚をする女性、3人のオーロラ姫の違いを見てほしいです。」
一緒に踊るシクリャローフについて聞かれると。
「親友で素晴らしい人です。」と答え、シクリャローフは「そう言ってくれて嬉しいです。」と恥ずかしそうに答えていました。
「イワンと仔馬」の秘密についても話してくれました。
「あの3つ編みはとっても重くてダンスの邪魔なので、衣装の胸の辺りにわっかを付けてくくりつけているのです。」

「また、姫君の事を少しお話しますと、姫君は火の鳥たちと不自由のない暮らしをしていて、とても退屈をしていました。 そこへ、ちょっとお馬鹿なイワンが現れ楽しく人生を生きることを覚えたのです。」
振付家のラトマンスキーについては「彼は、ダンサーに対して怒る事がない人でした!」と話してくれました。
シクリャローフへは、モスクワ国際コンクールについて「金賞、おめでとうございます!」と言われると、照れた仕草をしていました。
「緊張しましたか?」と聞かれると「緊張しませんでした!・・・と言うのは嘘で、とても緊張しました。。。」とお茶目な一面も。
オールスター・ガラではアリ役を「全力で踊ります!頑張りますのでぜひ観てください」と力強く言っていました。
そんな、2人の好きな日本食は「お寿司とお味噌汁」との事。
質疑応答では一人一人の質問に丁寧に答えていました。
12月5日はテリョーシキナ&シクリャローフの「眠れる森の美女」
12月9日はテリョーシキナ&ロブーヒンの「イワンと仔馬」
そして12月10日、11日の「オールスター・ガラ」では、その言葉のとおり2人を含めたオールスターが総出演します。
⇒詳しいキャスト表はこちら!
週末も、来週も、マリインスキーWEEKは続きます!
最後までご期待ください。
posted by JapanArts at 13:08
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マリインスキー・バレエ2009>レポート
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