2012年05月24日

グルジア・バレエにゲスト出演するデニス・マトヴィエンコのインタビュー

Matvienko Denis_by Gene Schiavone.jpg
Q:マトヴィエンコさんはいつ頃からニーナさんと接点があったのでしょうか?

A:ニーナから最初に連絡があったのは7年ほど前ですが、残念ながら、これまでは一度も共演する機会がありませんでした。電話で話し合ったりして計画だけはたくさんあったのですが、私にもニーナにも時間がなくて・・・。例えば、ニーナから妻のアナスタシアと一緒にグルジアで『ドン・キホーテ』を踊らないかと提案があったのですが、これも実現できませんでした。今回、ようやグルジアに来ることができ、温かく迎えてもらって感激しています。

Q:ニーナさんとの接点ができたのは7年前ということですが、最初はどういうきっかけでお知り合いになられたのでしょうか?
A:もちろん、私がバレエを始めた頃から、ニーナはすでにバレエ界のトップスターでしたから、以前からテレビやビデオで彼女の踊りを見ており、私はニーナの大ファンでした。彼女の踊りの軽やかさ、そして彼女が発するエネルギーは客席にいなくても、テレビの画面からでも十分に伝わってきましたから。

Q:ニーナの方からお誘いがあったということですか?
A:
そうです。2005年のモスクワ国際バレエ・コンクールで私がグラン・プリを受賞し、アナスタシアが金メダルを受賞しましたが、その頃、ニーナから初めて仕事の件で連絡をもらいました。ところが、その頃はスケジュールがつまっていて、ニーナの申し出を受けることができませんでした。昨年の9月から10月にかけて、また連絡をいただき、彼女のデビュー30周年ガラへの出演と、日本公演への参加を打診されました。今回は嬉しいことにスケジュールを調整することができたのです。何と言ってもニーナはバレエ界の伝説的なバレリーナですし、下界にいる(!)私たちにとっては宇宙みたいな存在で、美しいと思って眺めるだけ、手を触れることは叶わない遠い存在ですから。ともかく、ニーナと一緒に踊ることができるなんて本当に幸運なことだと思います。

Q:まだ舞台では踊ったことがなくても、稽古場で踊ってみたことはあるのでしょうか?
A:いいえ、まだ踊っていません。ただ、10年ほど前に私がナデジダ・グラチョーワと『ジゼル』を踊るためにボリショイ劇場に行った時に舞台でセルゲイ・フィーリンと『バヤデルカ』を踊っているニーナを見たことがあります。

Q:もしニーナさんと踊ったらどんな感じになると思われますか?
A:絶対にうまくいくと思いますよ。私たちのように長い間、舞台生活を送っていると、踊ることがときどき義務的な仕事のようになってしまいます。ところが、ニーナと踊ることは仕事じゃないのです。何かお祭りを楽しむかのようにわくわくするイベントなのです。ニーナは太陽のように周囲を明るく照らしてくれます。

Q:日本では『白鳥の湖』で共演していただくことになっていますが、ニーナと踊るジークフリードについてはどのようなイメージをお持ちでいらっしゃいますか?
A: 『白鳥の湖』は現代に生きる人たちにとってはファンタジーであり、この作品を踊る私たちは地上から離れ、どこか天空に浮かんでいる存在でなければならないのです。舞台にリアリティがあってはならないと思うのです。それとやはりこの作品はチャイコフスキーの珠玉の名曲とマリウス・プティパの傑出した振付がぴったりと融合した作品であって、誰々が改訂したとか、新演出をしたとか言っても、基本になっているのがプティパの振付であることに変わりありません。『白鳥の湖』には悲劇で終わるバージョンもあれば、ハッピーエンドで終わるバージョンもありますが、基本的には白鳥に姿を変えさせられた乙女と王子のファンタジックなラブストーリーなのです。それをニーナが絶妙に踊り、演じてくれるわけで、お客様の感動を呼ぶことは間違いありません。

Q:ニーナのオデットとオディールではどちらが好きですか?
A:どちらとも選べませんね。選ぶ権利はありません。昔はオデットとオディールを別々のダンサーが踊っていました。人生には暗い面と明るい面、あるいは陰と陽があって、太陽の下にいると、熱くなって汗だくになり、日陰に入りたくなります。オデットの白鳥、白の舞台は真実の愛を体現する場面ですが、一方、オディールの黒鳥はジークフリードをそそのかして誓いを破り、罪を犯すように仕向けるのです。それは私たちの人生にもよくあることではないでしょうか。嫌なことだけど、どちらかを選ばざるを得ない場合もあります。

Q:ニーナは日本公演で『マルグリットとアルマン』も踊りますが、昨夜のガラ公演(グルジアで行われたニーナ舞台生活30周年記念公演)での彼女をご覧になってどう思われましたか?
A:
いろいろと話せば長くなりますが、一言で言うなら、「すごい!」の一言ですね。ニーナはアルマンを愛するが故に自分の悲劇的な運命を受け容れるマルグリットのイメージを完璧に作り上げていましたね。
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【ニーナのデビュー30周年のお祝いメッセージ】
あなたと同じ舞台に立って一緒に踊る機会をいただいて光栄に思います。ロシアに『夢が叶うか、叶わないか』という歌がありますが、あなたと踊ることは私の子供の頃からの夢でしたから、それが叶うことになって大変嬉しく思っています。
いい公演になるよう、お客さんに喜んでいただけるよう全力を尽くすつもりです。
昨日の公演を拝見して、ダンサーとしての完璧なフォーム、エネルギーに満ち、感情のこもった表現に心から感動しました。
今、あなたの周りにはあらゆる善意と光が満ち溢れ、全てがいい方向に向かっているように思います。
私はインタビューの中でも言いましたが、あなたは宇宙のような存在です。太陽と言ってもいいかもしれません。そして、あなたの周りの軌道を多くの人たちが回っていて、あなたはその中心にいて、明るく温かい光を発して、自分の周囲に様々な人を惹きつけています。昨日の記念公演にもあなたを祝うために世界中からバレエ界のトップスターや劇場の支配人など著名な方々が大勢駆けつけていらっしゃいました。でも、それはあなたがスーパースターだからと言うよりは、あなたの魅力的な人柄に惹かれてやって来たにちがいありません。
あなたはこれまでも長年にわたって輝かしい舞台生活を送ってこられましたが、今後とも末永く元気でご活躍されるよう心から祈っております。



ニーナ・アナニアシヴィリ & グルジア国立バレエ

≪白鳥の湖≫

2012年6月24日(日) 14時開演 東京文化会館
2012年6月27日(水) 18時30分開演 東京文化会館 
2012年7月19日(木) 18時30分開演 東京文化会館
≪特別プログラム≫
2012年7月21日(土) 14時開演 東京文化会館

詳しい公演情報はこちらから


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