2011年12月06日

ダンサー・インタビュー(1)プリンシパルに昇格したエカテリーナ・シプーリナ[ボリショイ・バレエ2012]

エカテリーナ・シプーリナが、プリンシパルに昇格!
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ボリショイ・バレエのエカテリーナ・シプーリナが、12月4日バレリーナ役を踊った「明るい小川」公演終了後の舞台で発表されました。
11月中旬、ボリショイ劇場で取材したシプーリナは一途な人。主役であろうとなかろうとバレエに真摯に取り組むバレリーナでした。
これから連載でお送りする【ダンサーインタビュー】トップバッターは、エカテリーナ・シプーリナです。

Q:次の日本公演では、主役をたくさん踊っていただきますが、抱負を聞かせていただけますか?
S:確かに、これまでの日本公演では、主役を踊れる作品もありましたけど、そうでない公演もたくさんありました。私たちダンサーにとって、主役であろうと脇役であろうと、舞台は舞台です。「スパルタクス」のエギナも主役ではありませんが、非常に大切な役ですよね。すべての役が舞台で息づいて公演を作っているのです。「悪い役など存在しない。いるのは悪い俳優だ」ということわざがありますが、一見どんなに小さい役でも、通りすぎるだけの役でも、ダンサーにとってボリショイのステージに立つということは、どんな役であれとても大事なことです。特に日本公演は緊張を伴います(笑)たくさんいる日本のファンのみなさんの期待に応えたいという思いがありますから。でも一方で、ダンサーほとんど全員が日本を大好きですし、またその日本で公演できるというのが楽しみでもあります。

Q:ボリショイ・バレエのダンサーだという誇りですね。

S:つねに、ボリショイ・バレエを、そしてロシアを代表しているという責任感を持っています。

Q:劇場改修後のオープニングの舞台で、リラの精を素敵に踊ってらっしゃいましたが、どんな思いで踊りましたか?
S:とても嬉しい気持ちでした。この役は、バレエ団に入団して2年目か3年目に準備した役だったんですが、改修前の舞台で踊ることができた役でした。改修後はじめての上演でしたが、振付や技術面、舞台美術や衣装もそのままだったので初演という感覚はありませんでした。でも、初演を踊るときのような緊張感はダンサー全員にあったと思います。

Q:劇場改修後のオープニングの舞台でリラの精を素敵に踊ってらっしゃいましたが、6年間は長かったですか?
S:改修が永遠に続いて、終わらないのではないかと思うときもありました。でもこうして舞台に立ってみるとあっという間で、どこかの公演旅行に出かけていただけのような気がしたのも事実です。でも私にとってはその間に大きな怪我をしてしまった期間の方が長かったかもしれません。

Q:それは辛いことだったでしょうね。
S:
それはもう・・・。歩き方を1から習わなくてはいけないくらいの大怪我だったものですから。2年前ですが、ひざの怪我で、13ヶ月を棒にふりました。バレエをやめてしまった方が楽なのでは、と思うこともしょっちゅうでした。それでもやめなかったですし、やめられませんでした。それくらい、バレエは私なのです。
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Q:それは大変でした。その経験が舞台に反映されることはありますか?
S:ダンサーも人それぞれですが、もちろん強い意志が必要だったと思います。怪我をしたダンサーで、その後復帰出来なかった人もたくさんいます。舞台に立つということに対して、精神的に壁ができてしまうというか、恐怖感がでてしまうんです。また怪我をしてしまうのではないかという思いが心のどこかにあるからです。

Q:ところでボリショイ・バレエの特徴はどのように考えていらっしゃいますか?

S:テクニックだけではなく、感情、心が踊りとして表現されているところでしょうか。テクニックを見たい、こんなことができる、あんなこともできる・・・ということを見たい人は、サーカスを観に行けば良いと思うのですよ。ちょっと極端かもしれませんが、それくらい私はロシア・バレエの伝統を特別で愛しています。

Q:入団当時の監督は?
S:バレエ学校卒業当時、芸術監督はボガティリョフでした。残念ながら休暇中に亡くなってしまい、入団する頃には監督が変わってしまいました。入団した時の監督は、ファジェーチェフでした。その後、アキーモフ、ラトマンスキー、ブルラカと変わって、そして今がフィーリンです。

Q:フィーリンは他の監督に比べてどうですか?
S:まだ就任して日が浅いですから、他の監督と比べるのは難しいですが、でも、フィーリン監督は、多くのダンサーが同じ舞台に立ったことがあって、当時は同じダンサーとしてセリョージャと呼び親しい言葉で話しかけていましたが、いまは芸術監督ですから、セルゲイ・ユーリエヴィチ(名前・父称で尊敬を込めた呼び方)となりました。いちおう、上司ですからね(笑)セリョージャ!なんて、舌が回りませんよ。舞台のイメージとか、そういうことについては、ほかのダンサーたちもだいたい同じように思っていると思いますが、毎回の公演で同じように踊ることはありません。毎回、何かを見直すし、考えなおすこともあるし、バレエを続ける限り、ずっと役のイメージについて考え続け、何かを足したり引いたりし続けると思います。



ボリショイ・バレエ 日本公演2012

会場:東京文化会館(全公演)
《スパルタクス》
 2012年1月31日(火) 18:30
 2012年2月1日(水) 18:30
 2012年2月2日(木) 18:30

《ライモンダ》
 2012年2月7日(火) 18:30
 2012年2月8日(水) 18:30

《白鳥の湖》
 2012年2月4日(土) 14:00
 2012年2月9日(木) 13:00
 2012年2月9日(木) 18:30

詳しい公演情報はこちらから
インターネットでのチケット購入はこちらから

<東京以外の公演>
★:白鳥の湖 ◆:スパルタクス ◎:ライモンダ
★ 2012年1月27日(金)三重県文化会館大ホール
◎ 2012年1月28日(土) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
★ 2012年1月29日(日) アクトシティ浜松大ホール
◆ 2012年2月5日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
◎ 2012年2月11日(土) 兵庫県立芸術文化センター大ホール
★ 2012年2月12日(日) 兵庫県立芸術文化センター大ホール



posted by JapanArts at 19:59 | ボリショイ・バレエ2012>ダンサー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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