2011年11月25日

ボリショイ劇場【現地取材レポート5】[ボリショイ バレエ]

“ボリショイきっての王子”セミョーン・チュージン!
そして新星オルガ・スミルノヴァ 早くもリラの精を踊る!

ボリショイ劇場は連日、劇場をひとめ見ようと世界中から駆けつけた観光客が多く訪れています。それと同時に、バレエを愛してやまない地元のファン、プリセツカヤ、マクシーモワ、ファジェーチェフ、最近ではウヴァーロフなどをずーっと観つづけている厳しくもあたたかいファンも、比較的チケット代の安い3階から天井桟敷に詰めかけています。
昨日、11月24日「眠れる森の美女」はそんな目の肥えたファンたちも大注目の日。そして多いに盛り上がった日になりました。

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熱烈なブラヴォーを受けたのは、セミョーン・チュージン!王子の登場は2幕からなのですが、軽やかに登場するなり美しいジャンプ(ジュテ)を決めて客席を釘づけ。長身の彼が舞台を横切るだけで、ステージに金の粉がまかれるような“プリンス・オーラ”で、拍手も忘れて見とれてしまうほど。伸びやかなつま先や、高い回転を決めても、あくまでも最後は優雅にポーズ!それを観た客席は一瞬息をのんで、ため息のようなブラヴォー。その後会場が揺れるようなブラヴォーを叫ぶのです。

フィーリンが芸術監督に就任すると同時に抜擢したのが、今年の春。ボリショイのダンサーになってから、日が浅いのにも関わらず、地元ではすっかり“ボリショイきっての王子”という存在になっていました。

そしてもう一人、見逃せないのが今年入団したばかりのオルガ・スミルノヴァ。ワガノワ・バレエ学校時代から注目のバレリーナで、日本でもすでに目をつけているファンの方も多いはず。そんなスミルノヴァがリラの精で透明感あふれる踊りを見せてくれました。
第一幕から入団1年目とは思えない“善”の象徴としての神々しさを漂わせ、王子をオーロラ姫のところに導くシーンでは気品あふれる所作が、物語を進めるストーリー・テラーとしての力も印象づけ、これからが本当に楽しみ。数年後、「スミルノヴァが初めて踊ったリラの精を観たことがある!」と誇らしげに語るファンの姿が目に浮かぶよう。

「嘘だと思うかもしれないけれど、僕は踊っているうちに客席から力がもらえる気がする」と話していたチュージン。新しいスターの登場に心躍らせ、その後もずっと見守り続けるというファン。そんなダンサーと観客との関係が今までのボリショイを支えてきたことを実感した公演でした。
「ボリショイに伝統あり」その言葉は、ボリショイに観客あり、と同じなんですね!

posted by JapanArts at 16:38 | ボリショイ・バレエ2012>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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