3月12日(木)、ボリショイ劇場新館で「コッペリア」の初演が行われました。
セルゲイ・ヴィハレフといえば、マリインスキーでダンサーとして活躍した後、「バヤデルカ」「眠りの森の美女」「フローラの目覚め」の初演当時のプティパ版を復元したことで知られています。今回は、ボリショイ劇場での初仕事です。
会場には、アレクサンドロワの旦那様&お母様、コバヒーゼのお母様、ニコライ・ファジェーチェフ先生(あのアレクセイ・ファジェーチェフのお父様)、フィーリン夫妻の姿も!
コバヒーゼのお母様にご挨拶したら、「ザハーロワ・ガラで、ジゼルと・・・マグリットマニアを踊るのよね?」と、お母様まで演目を把握していらっしゃってびっくり!
初日を飾った主役ペアは、マリーヤ・アレクサンドロワとルスラン・スクヴォルツォフ。
アレクサンドロワが素晴らしいことは・・・言うまでもないですね。キトリを踊る時とは違い、もう少し柔らかくチャーミング。瞳を輝かせながら麦の穂を鳴らす姿が、とても可愛らしいんです!彼女の溌剌としたステップが持つ表現力の豊かさには、本当に圧倒されます。
スクヴォルツォフは、イケメンながら、お茶目でとぼけたフランツを魅力たっぷりに好演。2幕では、ボリショイ随一の芸達者ゲンナジー・ヤーニン扮するコッペリウスと息の合った演技でテンポよくお話を進めます。そして3幕のヴァリエーションでは踊りの本領発揮!軽やかで正確な美しい足さばき、長身を活かしたのびのびとした踊りは、見ていて大変心地が良いものです。
「コッペリア」第1幕では、マズルカとチャルダッシュの2つのキャラクターダンスがあります。ここはさすがのボリショイ!アンナ・アントロポーワやマリーヤ・イスプラトフスカヤを筆頭に、魂のこもった“生きたキャラクターダンス”を披露してくれました。
そして第3幕では、美しい24人の女性アンサンブルによる「時のワルツ」の後、「曙」でエカテリーナ・クリサノワ、「祈り」でネッリ・コバヒーゼが登場。クリサノワは、持ち前の暖かく明るい踊りで、希望に満ちた新しい1日の始まりを表現。コバヒーゼは、けして派手ではないスローテンポの曲を、しっとりと丁寧に踊り、私達の心をす〜っと穏やかにしてくれるような優しい癒しの時間を客席にもたらしてくれました。
このプティパ&チェケッティによる「コッペリア」の魅力は、なんといっても田舎町のほのぼのとした暖かい雰囲気。
派手に大砲を打ち鳴らすような作品ではないので、一見地味(?)にも見えてしまいがちですが、そこは世界に冠たるボリショイ・バレエ!
端から端まですべてにおいて質の高いパフォーマンスで、“魅せる「コッペリア」”を堪能させてくれました。


