2009年04月06日

『パリの炎』とダンサー紹介B:『イワン・ワシーリエフ』[ザハーロワのすべて]

FlamesofParis001.jpg「パリの炎」のグラン・パ・ド・ドゥは、ガラ公演やコンクールで踊られることが多く、日本でも大変ポピュラーなパ・ド・ドゥです。でも、「そもそもどういう話?どういう場面で踊られるの?あの2人は誰?」という声が聞かれるのも事実。
そこで!先月、モスクワのボリショイ劇場へ「パリの炎」全幕を見に行ってきました♪

作曲:ボリス・アサフィエフ、振付:ワシリー・ワイノーネン
世界初演:1932年レニングラード
ボリショイ劇場での初演:1933年(1964年を最後にレパートリーからはずれる)

現在上演されているのは、昨年夏、現代を代表する振付家の一人、当時のボリショイ劇場バレエ芸術監督アレクセイ・ラトマンスキーによって改訂・発表されたばかりの新版(全2幕構成)です。

主な登場人物:
フランス革命の流れに翻弄されるジェロームジャンナの兄妹
ジャンナが憧れるマルセイユ義勇軍のフィリップ
ジェロームが助けられる貴族の娘アデリーナ

〜あらすじ〜
≪第1幕≫
ルイ16世治世下のフランス。革命を志し森を進むマルセイユ義勇軍を、近くに住む兄妹ジェロームとジャンナが羨望のまなざしで見守っています。ジャンナは、強く勇敢な若い義勇兵フィリップに心惹かれます(というより、フィリップが、通りがかりに突然彼女にキスをしたのがきっかけですが・・・苦笑)。
そこに貴族の一行が狩りにやってきます。若く美しいジャンナは、女癖の悪い貴族の男にしつこく言い寄られますが、間一髪のところで兄ジェロームに救われます。代わりに貴族の恨みを買ったジェロームは囚われて牢屋へ。しかし、一部始終を見ていた当の貴族の娘アデリーナが彼を解放。ジェロームは、アデリーナに感謝しつつ逃げていきます。
もはやこの領地に居ることができなくなった兄妹は、義勇軍を追いかけフィリップに入隊を嘆願。義勇兵達は彼らを温かく仲間として迎え入れるのでした。
一方ヴェルサイユ宮殿では、ルイ16世とマリー・アントワネットを中心に貴族が集い、優雅に宮廷バレエを楽しんでいます。そんな折、遠くから義勇軍による「ラ・マルセイエーズ」の歌声が・・・。
≪第2幕≫
いざバスティーユ牢獄へと士気を高める義勇軍。その中心にはフィリップ、立派な義勇兵となったジェローム、そしてジャンナの姿。混乱に乗じて宮殿から抜け出したアデリーナを発見したジェロームは再会を喜び、もはや行き場のない彼女を軍へと招き入れます。
そしていよいよバスティーユ牢獄襲撃。多くの犠牲者を出しつつも革命は成功し、祝いの宴が始まります。
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フィリップとジャンナは、新共和国の第1号カップルとして結婚を認められ祝福されます。(ここで踊られるのが、あのグラン・パ・ド・ドゥ!)。
やがて広場にギロチンが用意されます。連行される元宮殿兵や貴族たちの中に自らの父を発見したアデリーナは、ジェローム達の引き止めを振りきり、父の元へ走り寄ります。その姿を見た民衆は「アデリーナにも死を!」と声をあげ始め、ついに彼女もギロチン台へ・・・。彼女を救うことができなかった無念に打ちひしがれるジェローム・・・。
多くの犠牲を重く受け止めつつ、民衆は新しい生活へと歩みだしていきます。 
〔終わり〕

踊りの見せ場は、もちろん若いダンサー達による義勇軍の大迫力のシーン。フィリップ&ジェロームが力強く足を踏みならす様子は、かっこよすぎて鮮烈な印象を残します。ジェロームとアデリーナを踊るダンサーの繊細で深い表現力も見どころのひとつですし、宮廷バレエのシーンは古風なクラシック・バレエの見せ場。
そして、革命成功の喜びが最高潮に達した中踊られるあのグラン・パ・ド・ドゥは、民衆の高鳴る気持ちを代弁する、演目全体のハイライトとして圧倒的な輝きを放ちます。

今回のガラ公演ではセットも群舞もありませんが、皆さん想像してはいかがでしょう。
この2人の周りには、権力に半旗を翻し歴史を大きく変えた若者たちが集い、彼ら全員が、革命の成功と2人の結婚を心から祝福しているということを。
ただ2人が出てきてテクニックを披露して終わり♪というパ・ド・ドゥとは、一味違う魅力が見えてくるのでは?


ダンサー紹介B:イワン・ワシーリエフ
今回ザハーロワ・ガラで「パリの炎」のグラン・パ・ド・ドゥを踊るのは、カプツォーワ&ワシーリエフのペア。
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このワシーリエフ、今年のブノワ賞(舞踊界のアカデミー賞)最優秀男性ダンサー賞に、このフィリップ役によってノミネートされました。まさに世界が認めるフィリップ役!
5月23日の受賞者発表に先駆けての来日になるわけですが、ブノワ賞はノミネートされるだけでも大きな名誉といわれる大きな賞だけに、自信と喜び溢れる素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずです。
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開いた口のふさがらない「パリの炎」、ぜひ見にいらして下さい!

posted by JapanArts at 16:51 | ザハーロワのすべて2009 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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